映画を二度観る
何の予備知識もなしにゴダールの映画を二本見た。
とてもじゃないけれど消化しきれなくて、鑑賞後はストーリーを頭の中でなぞりながら帰宅した。
大興奮で眠れなくなるほどでもなく、さっぱり忘れてしまうほどでもなく、彼の映画は私の中になりを潜めた。私は眠りにつき、朝を迎えて仕事をした。
その日の夕食は職場の人たちと取ることになっていた。飲み食いをし、賑やかに時は流れついにお開きとなった。
駅に向かって皆が歩いた。ひとりの上司と私は並んで歩いた。彼は私に休日の過ごし方を尋ねた。明日も掃除と洗濯をするの?たまにはどこかに出かけたりしないの?
その予定です。でも、昨日、映画を見ました。
へえ、何を見たの?
知らないと思います、昔のフランス映画で…
フランス…ゴダールとか?
瞬間、起きてから一度も思い起こさなかった昨日の映像が一気に脳内を駆け巡った。パラパラ漫画のように音を立てて、写真のように鮮やかであった。
とても衝撃だった。彼がゴダールを知っていることが、その驚きが私の記憶の起爆装置となったことが。
そして他者のアプローチを必要とする私の回想方法に少し虚しさを覚えた。
また見つかった!
何が?
永遠が
太陽と共に去った海が